作品名 | 著 者 | 備 考 |
『八人のいとこ』 (1875年) | オルコット | 祖先がスコットランドに住んでいたというお金持ちの一族が出てくる。キルトを着てバグパイプを吹く男の子たちが登場し、主人公は彼らにモテモテ。 作画家がとても気に入っている作品で、アンソニーたちが正装してキャンディを迎えるシーンはこの作品からイメージしたらしい。 続編は『花ざかりのローズ』。 聖ポール学院で行われた五月祭が出てきます。 アンソニーが落馬して死ぬシーンはこの作品からイメージしていると原作者のHPにあったように思います。 2冊とも絶版です。 |
『あしながおじさん』 (1912年) | ウェブスター | 当時、基本コンセプトと設定を決めるときに担当編集者がこの作品をあげたらしい。 主人公が孤児であるのと謎の後継人が共通点。 孤児という設定は、この時代のほとんどの名作ものに出てきているようです。 『続・あしながおじさん』では主人公が代わり、前作の主人公の親友が荒廃しきった孤児院の建て直しを行います。 |
『赤毛のアン』 (1908年) | モンゴメリー | 続編がたくさん出ているが、その中の『アンの娘リラ』がちょうどキャンディと同時期にあたる。
この作品の中では、志願兵となったアンの息子たちや戦況など、当時イギリスの自治領であった「カナダ」の第一次世界大戦が描かれている。 原作者のHPに、"『赤毛のアン』は「キャンディ」を書く上での「ふるさと」のような作品" とあるが、キャンディという一つの作品だけではなく、原作者にとってとても思い入れのある作品のようです。 裁判のこととかはもういいので、原作者には『赤毛のアン』や「キャンディ」などの作品に関するエッセイをもっと書いてもらいたいですね。 |
『そばかすの少年』 (1904年) | ジーン・ポーター | 主人公“そばかす”は、親もわからない片腕の孤児でまともな名前さえない愛情に飢えた孤独な少年。
大の大人でさえ恐れる過酷で危険なリンバロストの森の番人となり、勇敢で真っ直ぐな性格のそばかすは、周囲の人々に愛されて成長していく。
とにかく自然の描写が素晴らしいのです。作者のジーン・ポーターは博物学者だそうです。なるほど。
この物語の舞台であるリンバロストの森を研究し、自然に関する本も何冊か出版。その地を専門に扱っている野生生物カメラマンでもあったらしい。
続編は『リンバロストの乙女』。両方とも絶版です。 |
『少女ポリアンナ』 (1913年) | エレナ・ポーター | 父親を亡くして孤児となったポリアンナが、どんなにつらくても「よかった探し」をするというプラス思考なところがいい。
ポリアンナとは逆のあまのじゃくなおじさんやおばさんとの対決?もおもしろい。
「POLLYANNA」を英和辞典で引くと「底抜けの楽天家」と出てくるらしい。ほんとだ(笑)。
一見能天気だが、実は心のどこかにつらい気持ちやさびしさを秘めていて、ときどきそれが抑えられなくなってしまう。そんなポリアンナとキャンディとは共通するところがあるかも。 |