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アイスクリーム

キャンディではアイスクリームが出てくるシーンが3つあります。
  • 町の新聞スタンドに子供の患者の絵本を買いに行ったとき。
  • ステアやアニーたちと町で偶然会ったとき。
    (コーンのストロベリーアイスを食べていた)
  • ニールが病院にやってきてデートに誘われ、ムシャクシャしたキャンディが雑貨屋でアイスクリームを5個注文。
当時の日本でアイスクリームはまだまだ高級品。でもキャンディたちは現代のようにけっこう気軽に食べています。
 (※大正10年に資生堂パーラーで1個20銭。現在の価格に換算して1000円くらい)
そこで、当時どんなアイスクリームが売られていたのか調べてみました。


    <アメリカのアイスクリームの歴史>
18世紀植民地時代に移民によりアイスクリームはアメリカに渡る。
1700年メリーランド州知事ブレーデンを訪れた客の手紙に「アイスクリーム」という言葉が世界ではじめて使われる。
1846年「手回し式アイスクリーム・フリーザー」の発明
ナンシー・ジョンソンというアメリカの主婦によって手回しのクランク式の攪拌機が発明された。
1851年世界初の「アイスクリーム製造工場」
メリーランド州ボルチモア市の牛乳屋ヤコブ・フッセルが余った生クリームを処理するために工場生産を開始。
これまで上流階級のものだったアイスクリームが一般大衆の間にも広まった。
1881年「アイスクリームサンデー」の発明
ウィスコンシン州のエド・バーナーによって発明。
日曜日にチョコレートをかけて5セント売っていたためこの名がついた。
1904年「コーン」の始まり
セントルイスの万国博覧会でアイスクリーム屋さんがアイスを入れるカップを切らしてしまい、隣のワッフル屋さんがワッフルを薄く焼きアイスの容器を作ってくれた。
    ※現在のようなアイスクリームではなくソフトクリームに近かった
    ※コーン、スティック、エスキモーパイ、クッキーサンド、チョコチップ、サンデー、フレーバーなどは
     アメリカ生まれ


キャンディの時代の60年前には、もう庶民の食べ物になっていたのですね。


スーパーマーケット

キャンディは買い物は「雑貨屋(ドラッグストア)」でしていたようですが、アルバートさんはなんと「スーパーマーケット」で買い物をしていました。
当時スーパーマーケットなんてあったのでしょうか?
調べてみたらありました。ちょうど1910年代に初のスーパーマーケットが登場しています。
ではどういう店をスーパーマーケットとしているか、簡単に言うと、

  棚にある品物を店員にとってもらう → 「雑貨店」
  セルフサービス方式で自分で品物を選びレジに持っていく → 「スーパーマーケット」

となるようです。
セルフサービスという新しい方式はすぐには歓迎されなかったようですが、人件費がかからないぶん低価格なのでしだいに浸透していきました。



食べ物はじめて年表

1888年「コカ・コーラ」
頭痛を治す強壮剤としてジョン・ペンバートンが1杯5セントで薬局で販売。
1889年「ホットケーキ」
クリス・ラットとチャールズ・アンダーウッドがベーキングパウダーをあらかじめ混ぜたホットケーキミックスを編み出した。
  〃「ハンバーガー」
コネティカット州ニューヘブンではじめて販売される。
1890年代「キャンデイ」
ミルトン・ハーシー(チョコレート会社の創始者)がシカゴ万国博覧会のチョコレート製造機をヒントに製造。
1894年「コーンフレーク」
ケロッグが病人食として製造。
1900年代冷凍食品 (いちごジャム)
参考文献 『クロニック世界全史』・『古きよきアメリカン・スイーツ』

キャンディの時代までに作られた食べ物です。
これらはマンガや小説では出てきませんでしたが、アニメでハンバーガーが出てきた記憶があります。



上流階級の食事

アードレー家での食事のシーンが何度か出てきます。
アメリカの上流階級の人たちはどんな食事をしていたのかちょっと気になったので、食文化関連の資料を追ってみたところ、こんな記述がありました。

ギルデッドエイジ=金ぴか時代 (キャンディの時代より少し前の19世紀後半)
アメリカの上流階級では地位の高さを示すために贅沢を競うようになり、それまでのようなイギリス料理を 基本とした簡素なものに代わって、フランス料理とフランスの食事のマナーが取り入られた。
アメリカ料理の量の多さとフランス料理の洗練された内容を組み合わせ贅の限りを尽くしたものだった。料理のことでは滅多に関心しないフランス人シェフさえ驚くほどであった。
朝食だけはアメリカ式が守られていて、コーヒーあるいは紅茶とパンだけのシンプルなフランス式朝食ではなく、種類の多いアメリカ式が中心であった。朝食をも優雅なイベントにしていた。

参考文献 『世界の食文化-アメリカ』から抜粋

具体的にはどんな感じかというと、ちょうどキャンディと同時代となる『タイタニック』が参考になるかと思います。
当時の豪華客船のあの贅をつくした絢爛きらびやかな内装はアメリカのお金持ち向けに作られていました。タイタニックの一等船客のほとんどが裕福なアメリカ人でした。食事の量もアメリカ人向けなのか、かなり多めだったらしいです。
でも、本当に味にこだわったグルメは、タイタニック級の豪華さはなくてもフランス船に乗ったとか。